あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”

岐阜県に未来工業という上場企業があります。

 

未来工業が「日本一社員がしあわせな会社」と言われる所以は、何でしょうか?

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そこには、休日数日本一、ホウレンソウ禁止、命令禁止、70歳定年などの創業者・故山田昭男氏が定めた特徴的な"きまり"があります。

 

今回は山田氏の言葉から未来工業の経営哲学を見ていきます。

[目次]

 

餅を与える

未来工業では徹底的なコスト削減を行い、浮いた利益を社員に還元しています。山田氏はそれを「餅」と呼びます。

未来工業では、浮いた分で出た利益を社員に与える“餅”に回している。自分から考えて行動し、売上を上げ、あるいは節約をした結果、会社が利益を出したら、その分自分たちに“分け前”が沢山回ってくるのだから、社員たちは嬉しいだろうし、やりがいがあるはずだ。餅を与えれば、モチベーションが上がる。私は、社長の仕事というのは、社員を幸せにし、「この会社のために頑張ろう!」と思ってもらう“餅”を考え続けることだと思っている。

企業の行動は、①売る、②作る、③買う。現場で考えるのは、社員の仕事なんだ。社長の仕事は、彼らに頑張ってもらうために“餅”をどうやって与えるのかを考えることだ。これを戦略という。 

餅の配分を与えることが戦略というのが非常に面白い考え方です。

 

常に考える!

未来工業では全社員が「自分の頭で考える」ことを重視します。その最たる例が「改善提案制度」です。 f:id:jorge_tt:20190603205916j:image

驚くことに、どんな提案であっても500円を与えるという奮発っぷりです。製造業では、このような提案制度はよくありますが、たいてい提案が出てこずに頓挫します。未来工業では、お金という「餅」によってそうした課題を仕組みで解決しています。

「常に考える!」というモチベーションをどう作るかが大事。一つは金銭的な問題。何を書いて提出しても1件につき500円を貰えるという仕組み。もう一つは、正当な評価をする。つまり、社員からの提案をそのままにしないで、きちんと評価をして、結果を知らせるということです。提案活動がつぶれるというのは、提案を受ける側に問題があるんです。

 

 

社員に任せる

未来工業は、創業時から「任せる」をテーマにしてきたと山田氏は語ります。

社長や上司が何でも一人でできるわけがない。どんな分野のことでも自分が一番得意なわけではないからだ。上司に報告しようとしているその件について、誰よりも事情に詳しくて、どうすればいいかを一番考えてきたのは本人だろう?事情をよく知らない上司に説明していたら、ビジネスに一番必要なスピード感がなくなるし、その上司が正しい判断ができるとは限らない。そもそも上司よりも部下のほうが賢いかもしれないじゃないか。

人間は失敗を責められると、次は失敗できないと思って新しいことにチャレンジしなくなる。「どうしましょうか?」と相談されたときには、「僕はこう考えるけど、それは自分で判断することだから、検討してみて」という言い方をしている。

俺は、社員は経営者を騙すものだと思っている。騙すものと思っているからこそ、自由にさせているんだ。

どんどん騙していいぞ。

そうされると、人間は却って不正ができないんだよ。人間とはそういうものだ。

山田氏は、人間の心理をよく理解していて、うまいな~と感じます。自分の過去の育成経験や現在を考えても、ここまで「任せる」ことに集中したマネジメントはできません。

 

ホウレンソウは禁止

未来工業を有名にした一つのキーワードは「ホウレンソウ禁止」です。山田氏は、その真意について以下のように語ります。

報告とか相談とか連絡とか言いながら、ホウレンソウの本当の趣旨は、上司が部下に<命令する>ことだと俺は思う。俺の知っているホウレンソウは、結局、上司の命令や許可を得るものだった。もちろん、事務的な連絡や本当の相談もあるはずだ。そういうのは否定しない。自然に発生するだろう。会社やお客様のために必要だと思ったこと、気づいたことは、上司に許可なんて求めずにどんどんやっていい。

いちいち上司の許可を取らなければいけないのでは、仕事をしていても楽しくない。自分のアイデアがその上司の価値観によってつぶされたり、いちいち口出しされて当初とはズレたものになってしまったりすると、その社員は会社に対して不満に持つ。逆に、そのアイデアがすぐに採用されたら、めちゃくちゃうれしいはずだ。

未来工業では、強制的な命令が禁止だから、上司が部下を動かすときには相手に納得してもらわないといけない。

各担当者に権限委譲することで、意思決定スピードが速い組織体を実現しています。

 

休みを増やす

未来工業は「日本一」休日が多い会社と言っていいでしょう。年間休暇は140日、年末年始は20連休に及びます。山田氏は以下のように語ります。

企業は、社員たちにまともな給料を払って幸せに生活させること、そして、税金を払って社会貢献すること、の2つができなければ、何の価値もない。でも中小企業はそういうわけにはいかない。出せる給料には限度がある。だからその分、未来工業では休みを多くしているわけだ。 

社員というのは、絶対に、休みが長いほうが喜ぶんだ。休みが多ければ多いほど働く時間は減るが、その代わり、働くときには真剣に働く。ところが、日本の会社の一番ダメなところは、メリハリがなくダラダラと、いつまでも働いていることだ。ろくに休みもせずにな。

ようやく国内でも「働き方改革」が叫ばれるようになりましたが、未来工業ではなんと1960年代からこのような働き方を行っています。

 

山田昭男氏を知る2冊

どことなくですが、以前紹介した伊那食品工業の塚越氏と似たような雰囲気を感じます。両社とも岐阜・長野なので、中部地方の風土がそうさせるのでしょうか。

 

この山田氏の価値観を知る上でお勧めの2冊をご紹介します。

 

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり"

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”

 

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄

 

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり"2

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり"2

 

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄