あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

現場と経営の三角形をひっくり返す!

29歳でミスターミニットの社長となった迫 俊亮(@SS_Sako)氏の著作。私は10年前の学生時代の頃から彼のブログを読んでおり、留学生活やマザーハウスでのストイックな日々に憧れを抱いておりました。

 

彼のブログを読みながら、「この人はいつか経営者として有名になるんだろうな」と思っていましたが、想像を遥かに超えるスピードで進んでいらっしゃいます。

 

本書では、彼のミスターミニットに入社してからの4年間(社長就任から3年間)の修羅場と再生の日々が明快に描かれています。ピカピカの会社の成功物語も読んでて楽しいですが、普通の会社を作り直す物語に非常に感銘を受けました。

 

2年前の著作ではありますが、今年入ってから一番感激した本です。

[目次] 

 

現場こそ経営の原点

ユニクロの柳井社長は、著書『一勝九敗』で「現場を知ることこそ経営の原点だ」と語りました。

 

迫氏は「現場こそ経営における最高の師匠」とし、次のように説明します。

現場と経営の溝、そしてその根幹にある経営サイドの「現場軽視」だ。現場と経営の違いは、「偉さ」ではなく役割。リーダーに必要かのは、むしろ現場に「自分の知らないことや経営のヒントを教えて下さい」とお願いする姿勢なのだ。

現場は「末端」などではなく、組織の最先端だ。ただその皮膚感覚ぎうまく言語化され、整理されていないだけ。戦略や戦術を語る上でのビジネス用語に落とし込めていないだけだ。

柳井氏と迫氏の共通点は、経営する会社の業種です。ユニクロもミスターミニットもリアルな店舗を持つto Cビジネスです。

 

彼らにとって、最も顧客の声を聞いてるのが店舗の社員たちです。販売現場の社員たちの声に耳を傾けることが顧客ニーズに直結します。

 

迫氏はビジネス書や学術書からではなく、ミスターミニットに入社してから店舗を周り、現場の声をヒアリングしていく中で「現場の重要性」を肌で感じていきます。

 

現場と経営の三角形をひっくり返す

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多くの会社では経営が現場に命令するトップダウンのマネジメントが行われています。

 

迫氏は、ミスターミニットの大部分が合理的で優秀なエリートではなく、現場の職人であることに着目します。非エリートの職人によって組織が構成されている以上、この経営→現場の三角形をひっくり返して考えるようになったと言います。

 

私自身、この考え方が非常に参考になりました。本書がきっかけで、近場の拠点を週に一度、遠方の拠点を月1で周り、社員と対話することを習慣にしました。

 

本気度と覚悟を周りに示す

迫氏は「リーダーは誰よりも「事」にコミットメントしていなければならない」と主張します。迫氏曰く、コミットメントとは「本気度と覚悟を周りに示す」こと。

 

リーダーのコミットメントについて、迫氏は自身の前職であるマザーハウスを振り返りながら次のように語ります。

マザーハウスの山口さんも、「バングラデッシュの人たちが心を開いてくれたのは、自分が『ときどき来て通訳を通じて話す日本人』ではなく『バングラデッシュに住み、同じ釜の飯を食べベンガル語を話せる日本人』だからだった」と言っていた

 

迫氏のコミットメントは、「徹底的に現場と向き合う」こと。現場で聞いた声を聞き流すのではなく、まずは相手の希望を叶えることから始めます。

 

その結果、社員はこれまでの経営者との姿勢の違いを感じ、フォロワーとなり、迫氏を信頼するようになります。

 

自主性を重んじるマネジメント

組織構成において、迫氏が最初に着手したのが「リーダーの数を増やすこと」だといいます。

 

そのために、任せられることは任せていくことで権限委譲を図り、現場であらゆる決断ができる組織体を作り上げました。

 

権限移譲でつまずく2つのパターン

迫氏は、権限移譲でつまずくパターンが2つあると分析します。

(1)口では「任せる」と言って結局は口、最終的には手まで出してしまうマイクロマネジメントパターン

(2)任命だけして放置し、社員が潰れてしまうパターン

 

CARE

抜擢人事や権限委譲を成功させる上で大切なことは4つあり、頭文字をとってCAREと呼びます。

Capability(能力)

Authority(権限)

Responsibility(責任)

Evaluation(評価)

当人の能力に合わせてフォローアップし(Capability)、

適切かつ思い切った権限委譲を行い(Authority)、

その責任を明確にした上で(Responsibility)、

納得のいく評価とフィードバックが高頻度でなされること(Evaluation) 

CAREを意識的にオペレーションに組み込むことで、組織設計を成功に導きます。

 

私の評価

評価:A

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄

 

やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力

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