あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

「いつも私は去年の自分が恥ずかしい」ー世界有数のエリートが語る"不恰好"な経営

就活をしていた大学3年生の時、南場さんが登壇する会社説明会に参加しました。その説明会で南場さんが何を話したかは忘れましたが、とにかく「世の中にはこんなにすごいおばちゃんがいるんだ」と衝撃を受けたことをよく覚えています。爆笑をとりながら、参加者の情熱をかきたてる力強いトークに圧倒されました。「この人はすごい”女性”起業家ではなく、”すごい起業家”なんだ」と思いながら、帰路につきました。

 

本書はその南場さんが2013年に書き下ろした自叙伝です。

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語りかけてくるような文体と愛のあるジョークが当時のプレゼンのことを思い起こさせます。今更ながら初めて読んだのですが、2時間ほどで駆け抜けるように読んでしまいました。

 

1行目から最高です。

いつも私は去年の自分が恥ずかしい。10年前の自分など、他人と思うようにしないとうまく生きていけない。よく言えば、それだけのスピードで成長し続けているということかもしれないが、単にいつも恥ずかしい状態の人間だという方が正確な気がする。

私は「ダニング・クルーガー効果」という心理学の理論がすごく大事にしています。ダニング・クルーガー効果とは、「能力のない人ほど自信にあふれ、本物の実力を持つ人ほど自らの能力に疑いを抱いて悩む」という認知バイアスのことです。世界最高峰のエリートである南場さんですら、「過去の自分が恥ずかしい」と語っています。逆説的には、過信せず過去の自分を恥ずかしいと感じる南場さんだからこそ、今の位置があるのだと感じました。私なんて悩むことすら恥ずかしい。

 

先月、私は自分が抱えている2つの問題について本書にヒントを求めました。

(1)MBA受験を続けるか、やめるか

(2)起業した会社における新規事業の行き詰まりを経験し、その打開策

 

(1)については割とすぐにヒントが出てきました。南場さんは、DeNAを成長させていく過程で自身がマッキンゼーで培ったスキルや癖は「役に立たないどころか邪魔になることが多い」とし、苦しみながらも「unleaning(学習消去)」を続けていると語ります。コンサルタントとして「助言する」ことと経営者として「実行する」ことは全く違うといいます。

その時に南場さんにとってのコンサルと私にとってのMBAが妙に重なりました。私は周囲を認めさせる「資格」としてのMBA、あるいは自分にとっての自信をつけたいのであって、実務において必要ではないと感じました。

 

(2)についても読み進めていくうちに、DeNAですら南場さんですら何度も強烈な「産みの苦しみ」を経験しているのだと驚きました。実際に、DeNAは創業からの20年で方向転換しながら、数々の事業を創り出しています。ここには表に見えているだけで、その何百倍もの案がボツになってきたことでしょう。「何を数回ピボットしたくらいで凹んでいるんだ」と刺激になりました。

www.zaregoto-gakuen.com

 

本書を読む中で、DeNAは非常に多様性にあふれたメンバーの中でエキサイティングな仕事に取り組んでいるんだと感じました。彼らのように社内の仲間と価値観を重んじる文化を私も創れたら良いなあと感じました。会社の色は経営者によって決まるとつくづく感じました。 

 

今は創業から事業立ち上げの部分が共感できるため、特に前半が面白かったです。数年後に読んだら、また違う印象を持つかもしれません。その時を楽しみに本棚に置いておきたいと思います!

 

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄