あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

会社にお金を残したいなら今すぐ経費を増やしなさい(福岡 雄吉郎):社外流出を抑える具体的な手法

先日、7回にわたって、アイ・シー・オーコンサルティングICO)の井上和弘氏の著作についてまとめてきました。

 

今回は同じくICOの税理士、福岡 雄吉郎氏の著作をまとめていきます。同じ会社の一員だけあって、福岡氏の考え方は、井上氏の考え方を深く受け継がれています。本書の内容は、井上氏の『儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい』を税理士の視点から再構築したという印象です。

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今回は本書に書かれている具体的な手法には触れずに、考え方のみ整理していきます。具体的な手法については、本書のキモですので、是非お読みいただければと思います。

 

会社はキャッシュを残しなさい

冒頭に福岡氏は「会社経営にとって一番大切なものは、キャッシュ(お金)です」と語ります。この考えも井上氏から一貫しています。福岡氏は以下のように続けています。

利益を出さなくても、納税をしなくても、会社は存続できます。会社にとっては存続して成長することが何より重要です。たくさん納税するのは、毎年、安定して利益を稼げるようになってからで十分です。その時が来るまで、中小企業はどんどん節税して、お金を貯めていただきたいのです。

 

うーん、面白い。普通の税理士には中々ここまで踏み込んで書けないのではないでしょうか。 

 

キャッシュを残すための2つの方法

本書では、2つの視点から会社にお金を残す方法を紹介しています。

 

まず一つ目が「経費を増やす」という点。

経費を増やせば、その分、利益が減り、法人税の支払いを抑えることができます。増やすべき経費とは、お金の支払いを伴わない経費、あるいは経営に必要な経費です。

 

二つ目が「できるだけ早く経費にする」という発想です。

会社経営には想定外の「マサカの坂」があります。それに備えて、できるだけ経費を前倒しで処理してお金を残すべき、というのがICOの考え方です。

 

営業利益(経常利益)を黒字にする3つの方法

経営者として銀行の評価(格付)を上げることは、自社に有利な条件を引き出すために重要です。銀行の評価を考えるときに大切なのは、一言でいえば「返済能力」です。返済能力を見る際にポイントになるのが”営業利益”です。また、建設業をはじめとする業界審査においては、"経常利益"が重視されます。

 

つまり、銀行には銀行の視点、業界審査には業界審査の視点があり、各利益の向上を図る必要があるということです。

 

利益を黒字にする3つの方法

それでは2つの利益を高めるには、どのようにすればいいでしょうか?福岡氏は、営業利益や経常利益を黒字にする方法として、次の3つを紹介しています。

①売上原価の中の特別な原価を特別損失にもってくる

販管費の中の特別な原価を特別損失にもってくる

③家賃収入などの営業外収益を売上高にもってくる

 

上記の三点によって、純利益の金額は変えずに、営業利益を増やすことができます。特別かどうかの判断基準は、「社長が特別だと思えば、特別損失で落とせばよい」と説明しています。

 

2つの社外流出に敏感になる

支出の中で仕入れコストや経費を削ることは、どの会社でも行っています。しかし、銀行の金利と税金についての対策は、決して企業努力が十分に行われていないと福岡氏は説明します。

この金利と税金を私たちは、「社外流出」と呼んでいます。この社外流出をいかに抑えるかがとても重要です。社内の経費をケチケチするより節税に力を入れる方が、何倍も効率的なのです。 

 

まとめ

ICOの方々は一見「極論」に見える説明をしていますが、私は彼らが本質を突きすぎているからだと考えています。実務においては、本書を参考にしながら慎重に進めていくことが重要だと感じます。

 

 

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄