あたりまえブログ

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絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます(石原 明):中小企業のための値上げ戦略

先日、経営コンサルタントの石原 明氏の講演に行って参りました。そこでのお話が非常に面白かったので、石原氏の著書も読んでみました。基本的には講演の内容と同じでしたので、復習も兼ねて整理していきます。

 

[目次]

 

中小企業は価格競争に加わるな

価格競争において、トップの座を奪取しない限り全て負けです。価格競争の勝者は1社のみです。「独り勝ち」を競う戦いでは経営資源の豊富な大企業に対し、中小企業が対抗しても勝ち目がないというのが氏の主張です。

 

大手企業が価格競争に挑む目的は、「低価格戦略によって他社を市場から締め出し、消費者がこれを買うしかない状況を創った後に値上げすること」です。


値上げの最大の目的は「時間をつくること」

「理想的な経営とは「他社との競争を必要としない経営」を実現することです。値上げが目標とするのは、経営サイクルを伸ばし、「競争のいらない経営」を確立すること」と筆者は主張します。

 

値上げによって得られた売上と利益の増加によってもたらせる最大の価値は、将来を見通して他社を圧倒する準備のための時間的な余裕を企業が得ることです。これを「経営サイクルを伸ばす」といいます。経営サイクルを伸ばすとは、「ライバル会社や業界の主要な企業が目指しているよりも長いサイクルで経営を回す」ことです。そのための判断基準が「今すぐは必要とされていないが、将来大きな差となる行動が何かを考える」ことです。


価格は「顧客が得られる価値」によって決める

価格を決定する3要素

価格を決定する要素としては、次の3つがあります。

①原価を含めたコスト

②他社比較

③その製品・サービスが持つ価値

 

製造業でありがちなのは、①内の原価のみを見て価格決定をするパターンです。しかし、原価のみではなく、付随する諸経費もコストとして含まれています。このコストは最低価格を理解するための指標であり、決してこれを基に値決めをするものではありません。②の比較は、自社の商品・サービスの市場内のポジショニングを決める要素であり、高く売るための目安であると言えます。

 

価格を決定する上で、最も重要なのが③の価値です。詳しくは次項で見ていきます。

 

値上げは価値を付加することによって実現する

同じモノであっても見る人によって価値が変わることがあります。例えば、ここに一つの壺があったとします。私のような知見のない人間が見ると「ただの古びた壺」でも、鑑定士が見たら「名工が作った250万円の価値がある壺」かもしれません。ポイントは「名工が作った壺」という情報が載せられたことで、250万円の価値が付加されたということです。

 

つまり、価値を情報として商品・サービスを付加することが「価格設定において最重要項目」です。商品・サービスの価値が理解できなければ、顧客にとっては無価値です。だからこそ、顧客に情報を付加することが非常に重要です。

 

値決めをする際の「価値」は次の2つに分かれます。

①一般的な価値

②顧客特有の価値

 

①の「一般的な価値」とは、世間一般に誰にでもわかる価値です。「東大生の開発したノート」など誰にでもわかりやすいものです。②の「顧客特有の価値」とは、①に加えて更に値段を上げるためのものです。これを理解すると、値段をどんどん高くできます。顧客は「その商品・サービスを買うことで得られる価値」を気に入って、あるいは理解して購入しています。この得られる価値こそ「顧客特有の価値」です。

 

石原氏は、値上げを実現するためには、これらの価値を感じる可能性がある顧客にアプローチし、価値を感じるように「説明の仕方」を変えていくことが重要だと主張します。

 

値上げの順番

値上げは新規顧客から

石原氏は、既存顧客への提案は当面据え置くことを推奨しています。値上げは、新規顧客に対して商品・サービスの「説明の仕方」を変えていくことがスタートするのがベストということです。


既存顧客の値上げは2年後から

既存顧客への値上げは、新規顧客が成功し、値上げした商品・サービスの値段が社内で当たり前のように認識される状況になってからです。その後、「新規顧客にはこの値段で買っていただいている」と説明すると、案外すんなりと値上げの要求に応えてくれるようになります。

 

既存顧客へのアプローチは、2年くらいの時間をかけるのが有効です。その間、値上げのインフォメーションを繰り返し、実行すると尚良いです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。私の会社で考えても、値上げのハードルは非常に高いように感じます。石原氏は「どんな業種であっても、説明の仕方を変えるだけで20〜30%の値上げは実現できる」と断言しています。私も社内をいかに巻き込んで、値上げを推進するか考えていきたいと思います。

 

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄 

 

絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます

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