あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

稼ぐ商品・サービスづくり(井上 和弘) :儲かる「売り物」の三原則

前回に引き続き、井上 和弘氏の著書をご紹介していきます。今回は、2002年に出版された『稼ぐ商品・サービスづくり』です。本書は、前回ご紹介した『儲かるようにすべてを変える』に続く、井上氏の二作目です。今回は企業の「売り物」にフォーカスしております。

 

[目次]

 

利益を稼ぐのは「営業力」ではなく「商品力」

井上氏が前作から一貫して主張していることが、「商品力のある企業が利益を稼いでいる」という厳然たる事実です。井上氏はこの事実は今も昔も変わらない原理原則であるとも述べています。

 

本書において、商品・サービスを稼ぐように変えるためのポイントを以下の3つに整理しております。

  1. されどづくり(コモディティからスペシャリティへ)
  2. 価格抵抗力
  3. ブランド訴求力

 

されどづくり(コモディティからスペシャリティへ)

井上氏は、経営者は提供する商品が「コモディティ」なのか、「スペシャリティ」なのか、方向性を決めることが重要だと述べています。氏は、コモディティの世界は価格競争の世界であり、資本力によって勝負が決まってしまうと指摘します。中小企業は大手と差別化した売り物(スペシャリティ)で勝負すべき、されどづくりを徹底すべきというのが氏の主張です。

 

パンの世界で見てみましょう。同じパンでも「たかがパン」と見ることも出来ますし、「されどパン」と見ることもできます。俺の株式会社が運営する「俺のBakery&Cafe」は、パンの世界において「されどづくり」に成功した良い事例でしょう。同社がプロデュースする「銀座の食パン」は、小麦や牛乳などの素材に徹底的にこだわり抜き、焼かずに楽しむ「生食パン」というコンセプトで、圧倒的な人気を誇っています。このようなスペシャリティを持っていれば、大手食パンメーカーと異なる領域で発展することができます。

 

井上氏は、スペシャリティを見出していくためには、「自社の存在理由」や「商品の減点」を探る必要があると主張します。つまり、①誰を顧客とし、②何が売り物で、③顧客からどのような価値を要求されているかの三点を分析し、企業・売り物を見直すということです。

 

価格抵抗力

価格を上げることが難しい状況で粗利を確保するために、「低コスト体質づくり」が重要であることは言うまでもありません。本書では、デフレ時代に価格抵抗力をつけるには、以下の三点しかないと書かれている。

  1. 売価の下落を防ぎ、維持する
  2. どのように粗利の下落を阻止する
  3. 在庫価値の下落に対応する

 

上記の三点を実現するために、「聖域なきコストダウン」と「在庫の効率化」が重要だとしています。

 

ブランド訴求力

粗利を高くするためには、「売価を上げる」という切り口も重要です。「高くても売れる」、さらには「高いから売れる」ような価値をいかに付与するか、ということです。価格競争に巻き込まれないブランドをいかにつくるか。その原点がこれまで述べてきた「されどづくり」です。

 

井上氏は、ブランド訴求力の究極は「技術」と「デザイン」であると述べています。言い換えれば、他社が真似できないような魅力的な商品を顧客が一目でわかるデザインで提供することだと定義することができます。

 

まとめ

中小企業においては、大手・上場企業が参入できない領域に展開することが非常に重要であると感じました。井上氏が本書で述べているように「良いものは高くても売れている」というのは、昔から変わらぬ真理でしょう。自社の経営理念から「真に必要とする顧客」を明確化し、価値のある商品・サービスを提供する。当たり前のことですが、常に胸に留めておきたいと感じました。 

 

私の評価

評価:C

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄 

 

稼ぐ商品・サービスづくり

稼ぐ商品・サービスづくり