あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

儲かるようにすべてを変える(井上 和弘):高収益企業をつくる三原則

課題図書のまとめシリーズ第3弾。今回から牟田氏ではなく、井上 和弘氏の著書に入って参ります。著者の井上氏は、長きに渡り中小企業の経営再建や財務改善を果たしてきたコンサルタントです。本書は2000年に出版されておりますが、約20年経った現在でも色褪せない内容になっています。

 

本作では『儲かるようにすべてを変える』という名の通り、収益性の高い企業を築く手法を著者のコンサル経験と共に解説しています。その中でポイントとなる「たたむ・削る・変える」「回転経営」「三仕経営」という3つの原則を整理します。

 

[目次]

 

たたむ・削る・変える

本作が出版された2000年は、バブル崩壊後の「平成不況」と呼ばれた厳しい経済環境でした。厳しい環境下においても儲かる企業体質にするためのキーワードが「たたむ・削る・変える」です。

 

「たたむ・削る・変える」とは、自社の強みを徹底的に絞り込み、それを伸ばすためにそれ以外の要素をスクラップ&ビルドするということを指します。井上氏は、贅肉の無いリーンな経営体質・財務体質にならないといけないと繰り返し主張します。

 

井上氏によると、収益を回復させるための経営の転換には3つのステップがあるとのことです。一つ目が「緊急対応」。操業停止や経費削減などで、出血を止める緊急処置を指します。二つ目が、「量的対応」です。資産圧縮をし、金回りを良くする。つまりキャッシュフロー重視への転換を指します。三つ目が「質的対応」です。高収益の実現のために、戦略を練り、組織を変革していくことを指します。井上氏は、社長が本気でこの3ステップを実践するかどうかが高収益体勢の実現のカギだと述べています。

 

回転経営

二つ目のキーワードが「回転経営」です。井上氏は、成熟企業が利益増大を狙うためには「コストダウン」と「回転」が重要だと主張します。回転とは企業の効率性そのものです。回転率を高めるということは、仕入→販売→回収のプロセスを早めるということです。そのためにも「持たざる経営」の重要だと指摘します。

 

回転経営を図るための経営指標として、井上氏が最も重要視するのが「総資本利益率ROA)」です。純利益ではなく、経常利益で見るのも井上式のポイントです。

 

総資本利益率ROA)=経常利益÷総資産

 

井上氏は「たたむ・削る・変える」もこの総資本利益率を上げるための経営手法であると述べています。

 

三仕経営

最後のキーワードが「三仕経営」です。「三仕経営」は、これまで述べてきた「たたむ・削る・変える」「回転経営」によって筋肉質の会社に転換した後に、更なる発展を遂げるための経営手法です。

 

三仕とは、「仕掛ける・仕組む・しつづける」を指します。

 

  • 「仕掛ける」とは、新しい顧客を生み出すこと
  • 「仕組む」とは、儲かる仕組みをつくること
  • 「しつづける」とは、儲かるような仕掛けと仕組みを実行し続けること

 

井上氏は、新しい仕掛けを儲かる仕組みに落とし込み、しつづける体制をとることが重要だと述べています。また、仕掛けや仕組みは真似できても、「しつづける」という文化や姿勢は真似できないと述べています。

 

まとめ

アベノミクス以降、好景気が続いている今だからこそバブル崩壊後の厳しい環境下での経営手法を学び、浮かれることなく手段を講じていくことが必要ではないでしょうか。19年前の本ではありますが、参考になる本なので是非読んで見て下さい。

 

私の評価

評価:C

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄 

 

儲かるようにすべてを変える―社長の経営革新

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