あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

「好き嫌い」と経営(楠木 建):スター経営者たちの好き嫌い

以前、楠木建さんの講演(感想は↓)で紹介されていた著書を読みました。

jorge-tt.hatenablog.com

 

講演の中で、楠木氏は企業の競争戦略を研究していく中で、経営者の「好き嫌い」が企業経営において非常に重要であるという仮説にたどり着いたという話をしていました。本書のコンセプトは「経営者の好き・嫌いをインタビューする」というもので、先の仮説を証明するために、始まった企画なのだと思います。

 

今回は、インタビューの中で私が「好き」な4名の経営者とその発言を纏めていきます。

永守 重信(日本電産

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  • 会社を買うとか、面接して新しい社員をどんどん入れるとか、大きな仕事をとるとか、要するに成長の原点です。夢を形にするのが楽しいですね。
  • (機械や設備は)出来る限り直して使います。「お金があるから買えばいい」とは思いません。
  • 経営者の最大の仕事は、人心掌握でしょう。専門能力のある人をうまく使えばいい。
  • 自分のもとに同じ考えを持つ者が集まって、同じ目標をもって、一緒に頑張って喜び合うというのが一番楽しいですよね。
  • 能力があるいい人を集めて会社をどんどん大きくしていくわけですから、経営者も能力を高めて、魅力を感じてもらわないといけない。でも、口から出まかせを言って、良い人のふりをしても、そんなのはすぐバレる。
  • 質的にも量的にも社員よりはるかに働いていますし、常に陣頭指揮を執っています。「社長だけいい生活をしている」と言われることは一切ない。社員から後ろ指をさされることは絶対にない。

永守さんのインタビューや著書、日本電産の出身者が書いた著書をかなり読んできましたが、永守さんのキャラクター・考え方はどの記事でも一貫しています。インタビューの言葉からも、彼の徹底的なストイックさが滲み出ていますね。

 

柳井 正(ファーストリテイリング

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  • より多くの付加価値を生むか、より多くの人にいい影響を与えるかどうか。そこが仕事と趣味の分かれ目でしょう。やっている本人が満足する・しないというのはビジネスではないと思っています。
  • うちの会社で誰かの意見をけなすときの決まり文句は、「教科書どおり」です。経営者も教科書どおりのことを言う人が多すぎて、「本当に考えているんですか?」と聞きたいくらいですね。
  • 自分がコミットメントして、自分がハンズオンでないと、人は絶対に動かない。でも、自分が1から10までやっていたら、人は嫌になる。だから、僕が今育てないといけない人材は創業者だと思っています。
  • 経営者というのは、主体的に経営する自分がいて、その自分を客観的に見る「もう一人の自分」がいないと、うまくいかないものです。

柳井さんは、永守さんと比較すると一歩引いた目というか、客観的にポジションを把握し、言動を決めるという冷静さを感じます。それでいて、やるべきことをやる強かさも感じます。

 

新浪 剛(サントリー、ローソン)

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  • 序列を壊す意味でも、情報を集めてくる意味でも、現場に足を運ぶのが大事です。行けば、流れている空気や雰囲気がよくわかります。
  • 下にいる人たちにも「本気でやるなら俺を動かせ」と言っています。パッションとリスクテイキングが合わさると、大体のことはやれるものだと思います。
  • 一途さが何かを起こす

1年ほど前に、新浪さんと東京駅ですれ違ったことが有ります。その大きさとオーラにやられてしまったのですが(笑)、 本インタビューも骨太で力強い意志を感じます。

 

星野 佳路(星野リゾート

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  • 「何かを追求して限界まで挑戦している自分」というのが、私にとって満足する生き方といえるかも知れません。経営をする今は、市場競争の中で勝つことがテーマです。
  • 「会社の取るべき選択はどちらか」ということに関して、自信がないのです。経営は色々な要素が絡み合っていて、やってみないと分からない所がありますから。失敗を少なくするために、私は理論に頼るのだと思います。

 最後は星野さん。取り上げた4人の中で、一番理性的・理論派という印象を受けました。ここまで成功して、経営理論を学ぶ姿勢が素晴らしいです。

 

個人的にはもう少しインタビューの対象者数を減らして、深掘りしてほしかった所もありますが、コンセプトが斬新で、経営者の人となりがわかる一冊でした。時が経つと、また新たな発見がありそう。

 

  

私の評価

評価:B

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄 

 

「好き嫌い」と経営

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