あたりまえブログ

凡事徹底をテーマにしている中小企業の後継者が「大学時代の自分に伝えたいこと」を書いています。

社長業(牟田 學):経営とは経験の科学である

私が会社で参加させて頂いている経営者向け研修にて、課題図書として配布された『社長業』という本を紹介します。課題図書の復習も兼ねて整理したいと思います。私の場合、ポストMBAの想定を大企業の管理職としてのキャリアではなく、「中小企業で経営実務を行うこと」と置いているので、この手の本も勉強のために読んでいます。

 

[目次]

 

著者紹介 

著者の牟田 學氏は、中小企業の経営者の間では有名な日本経営合理化協会の会長として、数多くの中小企業の経営コンサルティングを行ってきた方。コンサル業に限らず、ご自身でも多くの企業で経営手腕を発揮されてきたとのこと。先日、氏の講演を聞きに行きましたが、戦後~バブルの絶頂期を知るオーナー経営者のお話を聞く貴重な機会になりました。キャラクターも可愛らしく、ちょっとスケベなお爺ちゃんという感じでした(失礼)

 

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以前私が証券会社で中小企業オーナー向けの営業をしていた時に、ある飛び込み先の社長さんの本棚にこの本が置いてあったことを覚えています。ド派手な装飾とシンプルなタイトル、そしてその社長さんが「私のバイブルだ」と仰っていたので覚えていました。しかし、まさか自分が読むことになるとは思いもしませんでした笑

 

まず驚いたのが、初版が1982年!36年販売され続けている本ってどれくらいあるんでしょう・・・。内容としては、経営者として普遍的に行うべき行動・見るべき視点が書かれていて、違和感なく読むことが出来ます。文体が古い、財務的な視点が少ないといった点で物足りなさはあるものの、切り口が面白く、中小企業の経営者に長年愛されるのも分かります。

 

受注事業と見込事業

本書は、全ての事業は①受注事業、②見込事業、あるいは双方の側面をもつ③ハイブリッド型の事業の3つに分けることができ、それぞれの長所を生かし経営推進すべきだという切り口で書かれています。

当たり前のことのように感じますが、私はこの視点が参考になりました。全ての「事業」という点がポイントです。同じ企業であっても事業ごとの異なる特性を意識することは、現在の職場でマネジメントを行う上で非常に重要なポイントだと感じます。

 

受注事業

受注事業とは、商品(サービス)の数量・価格を得意先が決定し、大儲けが出来ない代わりに安定的な事業を指します。要は下請けですよね。BtoBの中小企業の多くは、受注事業に該当します。業種としては、製造業などが挙げられます。

受注事業の顧客は、特定の得意先に集中する傾向があり、その得意先との信頼関係が最大の課題と著者は指摘します。

受注事業が利益を上げるには、①得意先を散らす、②独自性のある商品を開発する、③固定費を抑える(機械化・省力化)ことが重要だと分析しています。 

 

見込事業

見込事業とは、商品(サービス)の数量・価格を自分で決定でき、大儲けが出来る可能性があるが、リスクの高い事業を指します。BtoCの事業の多くが見込事業に該当します。業種としては、アパレルや外食などが挙げられます。

顧客は不特定多数が対象であり、商品(サービス)の差別化が最大の課題となります。見込事業は、差別化戦略が利益に直結すると著者は分析しています。"俺のシリーズ"、"いきなりステーキ"、"BAKE"辺りは、正に「見込み」が当たった事例ですよね。 

 

ハイブリッド型事業

筆者は、受注事業・見込事業どちらの事業であろうと、意識的・戦略的に双方の長所を用いることが大きな利益に繋がると主張します。受注事業であれば、見込事業のような独自性ある商品(サービス)を開発・販売する。見込事業であれば、受注事業のように安定的に儲かる仕組みを作る。筆者の言葉を借りれば、「安定的な事業と冒険的な事業の二つを展開する」ということです。

 

最後に

以上が本書の概要です。後半には、著者の経営観について言及されているので、少しだけ抜粋を。

経営は経験の蓄積が必要です。(中略)経営は、成功の経験と同じように、失敗の経験を数多く必要する科学なのです。

  

私の評価

評価:D

A:殿堂入り

B:本棚に残す

C:買いだが、一度読んだら売る

D:図書館で流し読む

E:時間の無駄 

 

社長業

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